「新しい視点で考えるデザイナー目線のものづくり」
デザイン会社 <Y DESIGN MARKET> オーナー:三宅喜之さん
大阪を拠点とするデザイン会社Y。
ポジショニング戦略とプロダクトデザインを基軸に様々なジャンルの商品のブランド作成を行われています。
今回はプロダクトデザイナーの三宅さんに、デザインのお仕事について教えていただきました。
インタビューアー:三宅さんはプロダクトデザイナーというお仕事をされているそうですが、具体的にどんなお仕事なんでしょうか?
三宅さん:皆さんが身近で使うもののデザインをしています。今まではバッグや靴などのメーカーさんと一緒に新しいデザインを考えて商品化することが多かったのですが、最近は自社でも雑貨商品を企画しています。
「プロダクトデザイナーが提案する、デザイン事務所で使ってほしい雑貨シリーズ」というテーマで、【SOGU】というブランドを立ち上げました。
インタビューアー:デザインのプロが提案する、プロの職場で使える事務用品ということですね。具体的に、従来の事務用品とどこが違うのでしょうか?
三宅さん:事務用品は昔ながらのデザインのものが多いんです。一般の事務所なら特に気にならないデザインだし、だからこそ長く愛されて使われてきたんだと思います。ただ、デザイナー目線で言うと「カッコ悪くて使いたくない」と思うものもある。事務所に来客があったときに、オフィス環境が整っていないとデザイナーである自分たちのセンスが疑われてしまいますからね。カッコ悪い状態って、デザイナーとしては小さなイライラに繋がるんです。どんどん気になってしまう。その小さなイライラを解消するブランドが【SOGU】です。
インタビューアー:なるほど、たしかにデザイナーさんの事務所がカッコ悪かったら、デザインを依頼するにも心配になってしまいますね(笑) 小さなイライラは、どのように解消されていくのですか?
三宅さん:例えば、皆さんがホワイトボードを使って新しいデザインを提案する光景を思い浮かべてください。資料をマグネットで留めて…って、このマグネット、よく考えたら大事な資料よりも目立ってしまっていませんか?これがまず小さなイライラです。そこで考えたのが、まずはもっと小さくて目立たないものができないかと。ただ、小さいだけでは扱いづらくなってしまうのでちょうど邪魔しない程度のつまみをつけました。もちろん磁力は強いものを使ったので、存在感はないけどしっかり仕事してくれる。これがホワイトボードのマグネットに求めていることです。
インタビューアー:「デザイン」と聞くと綺麗なもの、かっこいいものを作るというイメージでしたが、そこに至るまでに色々な視点で考えて商品を生み出していくのですね。
三宅さん:そうですね。他にも、新しい本立てを作るとしたらどういうものができるだろう?と先にアイテムを決めて考えることもありますし、つっぱり棒を他のものに応用するとしたら何ができるだろう?という考えから、傘立てに行きついたというパターンもあります。何を作るにしても、常に「新しい視点で考える」ということを大切にしていますね。また、そういう発想を生み出すきっかけになるように、オフィスに置いているものもデザイナー目線で吟味しています。
インタビューアー:「オフィスに置かれている照明や棚も、お洒落なものばかりですね。その中でroom’sを選んでいただけて嬉しいです。
三宅さん:オフィスでずっと靴を履いているのは煩わしいので、スリッパに履き替えるようにしているんです。見た目がシンプルでオフィスに向いているものという条件で探しました。room’sはシンプルですし、見つけたときに「綺麗だ」と思いました。スリッパは脇役に徹してほしいというのもあり、グレーを選びました。一般的なスリッパは女性向けが多いので、男性向けのサイズがあったというのも決め手の一つです。置きっぱなしでも形が崩れないところが良いですよね。
インタビューアー:「プロの方にそんなに褒めていただけて光栄です(笑) 今後の【SOGU】の新商品も楽しみですね!
三宅さん:これからも「新しい視点で考える」ことを大切にして、仲間のデザイン事務所がほしいと思ってくれるものを作っていきたいです。